どうも、塩梅ライフを送りたい、RiJuでございます。
車を運転中に前のバスの電子掲示板が回送になってたんですが、ふと疑問に思ったんですよ。
なんで回送っていうのをしてんだろう?って。
だって、
乗客を乗せてない=営業していない=利益にならない
と思いませんか?もっといえばガソリン代などの費用もかかるのに…
改めて考えてみると、回送には僕の知りえない理由があるのでは!?
ということで、理由を探してきました。
明日使える雑学はこれでばっちりですね(誰得)
回送とは?
デジタル大辞泉によると…
1.一度送られてきたものを、改めて他の場所に送ること。転送。「郵便物を移転先に回送する」
引用:https://kotobank.jp/word/%E5%9B%9E%E9%80%81-457823
2.電車やバスなどを、空車で他の場所へ動かすこと。「車庫へ回送する」
3.他の図書館から、予約者が受け取りを希望した図書館に資料を送ること。移送。「回送資料」
ウィキペディアだと、
鉄道車両、バス、タクシーなど交通機関の車両を、営業運転をせずに移動させることである。
もとは、(郵便物など)送られてきたものをさらに他の適切な場所に送るという意味。
引用: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9E%E9%80%81
と書いてましたね
つまり客を乗せないことが前提で、車庫から出発地、終着地か車庫へ(あるいは他の路線の始発地へ)移動させる意味です。
ちなみに飛行機にも回送(=フェリーフライト)はあるそうですが、莫大な燃料の兼ね合いであまり実施はされてないみたいですね。
そりゃそうや(笑)
なぜ回送をさせているのか
主な回送のパターン5つを紹介すると、
2.終点場所と始点場所の距離があまり遠くない場合の移動
3.輸送効率の向上のため
4.車両を整備工場へ持っていくパターン
5.タクシーの回送
こうして見ると、なるほど!と思うところがありますね。
確かに、車庫から始発場所への移動なのにお客さん乗せれるわけないわな(笑)
「お客さんを乗せたほうが儲かるのでは?」に対する答え
これは僕が疑問に思ったことです。
「ガソリンとかの費用かかりそうで、利益出ないのになんで回送で走ってるんだろう?」と。
これに対する答えは、さっきの回送のパターンの内容通り、
「回送には目的があって、その移動方法が効率的だから」ということです。
下の具体的な例で考えてみると分かりやすいかもしれません。
ラッシュの対策での回送(バス)
3の「輸送効率向上」を例にして、考えてみます。
朝夕の通勤通学ラッシュをイメージしてみてください。
朝のラッシュ時には住宅街から駅に向かってのニーズが非常に多くなる反面、駅から住宅街への需要は極端に少なくなりますよね。(夕方だとその逆)
すると、バスが満員で乗れなかったり、車内環境がいいものではないといった問題が起きます。
この問題を解決する一番手っ取り早い方法はバスの台数を増やすことです。
しかしただ単にバスの総数を増やせばバス会社にかなりの費用がかかります。
そこで〈お客さんが多く乗る方面のバス〉を〈お客さんの少ない方面のバス〉でカバーすれば問題は解決しますね。
このときに回送を使ってバスの一部を朝は住宅街へ、夕方は駅側へと戻すわけです。
B.○○駅→住宅街のバスの本数:30本
B.○○駅→住宅街のバスの本数:20本
こんな感じにすると、無駄に費用をかけず、効率的に問題を解決できるわけですね。
回送であればノンストップで移動できて(停留所に止まらなくていい)、営業路線を走る必要もないため最短距離で効率よく移動することができます。
つまりガソリン代が通常の営業運転よりかからないわけです。
また同じ路線でなくてもニーズのある他の路線へ移動することもあり、その際も回送であれば迅速な移動が可能です。
回送を行なえば、ラッシュ時にバスが足りなくなる・お客さんをしっかり確保できないといった様々な問題を解決することができます。
これがお客さんを乗せないと利益がないのに、わざわざ回送させる理由です。
「どうせだったら乗せてくれ!」ができない理由
僕には浮かばなかった疑問なんですが、「どうせだったら乗せてくれ!」と考える人もいるようですね。
これは回送の主なパターンのうち、1か4のときに当てはまります↓
4.車両を整備工場へ持っていくパターン
例えば1番だと、バスの始発地点と終着地点に車庫があるとは限りません。
なので車庫から始発地点に向かうとき、もしくは終着地点から車庫に戻るときは回送になります。
この時バスの電光板に路線の案内が表示されていたら、一般の人が乗れる勘違いするでしょうし、なにも表示されてなかったら不気味ですからね(笑)
または4番の場合、車庫付近に整備する場所がなくて、修理・点検のために整備工場へ向かいます。
これもさっきと同じ理由で回送を使うのがいいですよね。
なぜ回送だと乗客として乗れないのか?
これには主に二つの理由があります。
それは、
2.労働的な理由
です。
法律的な理由
まずひとつは法律上の問題です。
バスは旅客を乗せなければ第一種運転免許でも運転することができます。
なので整備士さんの運転で回送車両を整備工場に持っていっても問題ありません。
しかしお客さんを乗せてしまうと違反になるので、回送の表示を出して「このバスには乗れませんよ~」って主張しているわけですね。
また回送という表示を出さずに、路線の表示を出してしまうと営業運転としてその路線を維持する義務が生じてしまいます。
なので本来の目的が整備工場への移動なのに、営業運転してしまっては元も子もありません。
こういった法律的な理由がひとつです。
労働的な理由
もうひとつは労働的な理由です。
具体例としてタクシーをイメージしてください。
タクシーもバスと同じくお客さんを乗せて営業を行なう乗り物です。
そしてドライバーがいて、その人はタクシー会社の社員なので「労働者」です。
※一応個人タクシーもありますが、この場合は経営者兼労働者です。
なので、ドライバーはちゃんと労働基準法によって守られてます。
仮に規定の就業時間を超えたにも関わらず、お客さんがいるからという理由で一日中運転させるとどうなるでしょう?
単純に法律違反ですし、何よりこんな環境が続けば運転手の健康上の問題が出てきます。
なので「回送」として運行している間はお客さんを《乗せてはならない》と決められています。
例えばこんな話があります↓
僕はタクシー運転手ですが、3月11日の震災の時に『タクシーが回送にして乗せてくれなかった』等の苦情が物凄く多かった。
けれどこの日のタクシー運転手は勤務時間overや法定距離over等で死ぬ程に疲れ果て、くたくたに成りながらも[回送]にして帰庫しました。
たぶん[回送]にしなければ帰庫が出来ず、40時間ぶっ通し運行とか大変な事に成ってましたよ…
こういった労働者を守る点でも「回送」の状態のときは、お客さんが乗れないというわけです。
回送する目的はさまざま
さてさて、運転中のふとした疑問を調べてみると知らないことがわんさか…
掘れば掘るほど情報が出てきますし、法律や労働者目線での考え方を見たときは驚きましたね~、なんか深いなって(笑)
バス以外にもタクシーや飛行機にも回送ってあるんですね。面白いこと知った。
これからは回送中の表示をみたときは、生暖かい目で見守ってやってください(誰目線)
ってことで、次回の投稿でお会いしましょ~
夜は眠れるけど、知りたい欲求を満たせるような「ええ塩梅な」情報発信者を目指すRiJu(りじゅー)でした。
神戸在住
ちょっとおもしろくて、たまに役立つ
ええ塩梅な情報を届けていくつもりです